海の消防士と呼ばれ、高い専門性を求められる職種として挙げられるのが海上保安官です。
巡視船舶の乗組員が最も多い人員配置になっていますが、他にも潜水士、鑑識官、通訳官など、専門性が必要となる職務内容は多岐にわたっています。
また、海は上空からも巡視する必要があるため、海上保安官の中には航空機のパイロットもいます。
多彩な職務を担う海上保安官ですが、その三大業務は、警備救難、海上交通、海洋情報です。

警備救難は運用司令室から海難の通報を受け、現場海域にいる巡視船舶や航空機に連絡します。
通報の中でも救難信号を受信した場合のみ情報を分析した上で救助計画を立て、最寄りの巡視船舶や航空機を急行させます。
急行した巡視船舶や航空機は、現場付近で海難船舶や不審船の発見に努めます。
不審船を発見した場合、その船に乗りつける前にまずは音声による警告を行う必要があります。
そして違法行為を確認できた場合のみ、船を乗りつけ現行犯逮捕をすることが認められています。
また、不審船が管轄エリア外に逃げてしまった場合、違法行為を確認できていたとしても、それ以上の追跡は断念しなければならないという国際ルールになっています。

海上保安官になるために特別な国家資格は必要ありませんが、海上保安大学校もしくは海上保安学校の入学試験に合格する必要があります。
給与は国家公務員の公安職棒給表の額が適用されるため、新人の年収は300万円程度です。
幹部クラスになると、年収が1000万円を超えるともいわれています。